たとえば、インターネットを通して妊娠率を調べるということの危険性のひとつとして、累積妊娠率を例に説明してみましょう。

累積妊娠率とは、妊娠した人を積み上げていって、その率を出していく方法です。

わかりやすいたとえでいうと、「正常なカップルが避妊をせずに夫婦生活を持つと、仮にベジママで基礎体温が上がることがあったとしても、その累積妊娠率は1年後には約90%である」という使われ方をよくします。

すなわち、不妊の原因のないカップル100組が、避妊をしなければその内90組が1年後に妊娠しているという意味です。

体外受精は6回までにすべて結果が出てしまい(妊娠する人は6回までに全員が妊娠してしまう、つまり体外受精で妊娠した人が母集団)”そこを終点と考えた場合、それぞれの回までに、どれだけの割合の人が妊娠しているかを示しています。

そう考えると、最初の1回目に全体の45%、2回目になると妊娠する人の70%が妊娠し、6回目で100%になるわけです。

しかしながら、医療や統計の素人であるあなたが、このグラフを見たらどう考えるでしょうか?

次のように思ってしまうかもしれません。

「体外受精1回おこなうと45%の確率で妊娠できる。

そして、どんどん100%に近づいていくので、3、4回くり返すと、私はきっと体外受精で赤ちゃんを授かることができる!」と。

そう思ってしまうのではないでしょうか。

このグラフを見た多くの人が誤解するかもしれません。

こうしたグラフも、受け手側にしっかりとした知識とリテラシーがないと、きちんと読みとることはできません。

私が、相談に来られた方にしばしばインターネットにはあまり近づかないようにとアドバイスするのは、以上に述べたようなことがあるからです。

もちろん、インターネットの便利さを否定するつもりはまったくありません。

利用する側が知恵とリテラシーと持って活用すれば、有益な情報を得ることはもちろん可能なツールです。

IVFLesson15・ホームページの体外受精の妊娠率は、片目をつむって見る。